2009年7月 5日 (日)

富士山レーダー工事を描いた石原裕次郎主演映画「富士山頂」(原作は新田次郎)

2009年7月4日(土曜日)夜21:00よりテレビ朝日系列で、石原裕次郎二十三回忌特別番組として、1970年の石原裕次郎主演映画『富士山頂』を放映しました。
この映画はDVD・ビデオなどのパッケージ商品にはなっていませんし、テレビ放送もめったにやりません(「地上波初」ではないと、公式サイトで訂正入っています)。
『黒部の太陽』などと一緒に、この映画は映画館の大画面で見て欲しいという裕次郎の意向だそうです。

テレビ朝日|石原裕次郎 二十三回忌特別企画

富士山レーダーといえば小説家の新田次郎。富士山レーダー計画の気象庁の担当者でした。
映画『富士山頂』も新田次郎の小説が原作です。

富士山頂 (文春文庫)
新田次郎〈文春文庫〉

ほかに、映画「八甲田山」の原作『八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)』、今公開中の映画「劔岳 点の記」の原作(『劒岳―点の記 (文春文庫 (に1-34))』)も新田次郎の代表作です。

富士山山頂に建設する気象レーダーは地理的・気象的に困難な工事というだけでなく、厳選した企業に情熱を持って取り組んでもらうために入札制度を無視し、国家的大規模プロジェクトに食い込みたい多くの企業をしりぞけるなどいろいろな政治的駆け引きが行われました。
芦田伸介が演じた気象庁測器課の葛木課長が新田次郎(本名:藤原寛人)本人をモデルにしています。石原裕次郎は三菱電機の技術部員です。

富士山頂に気象観測レーダー(富士山レーダー)を作る話は、NHKの「プロジェクトX」でも有名ですね。こちらはドキュメンタリー。DVDやビデオになっていますし、楽天ダウンロードで動画をネット有料配信しています。

プロジェクトX 挑戦者たち Vol.1 巨大台風から日本を守れ ― 富士山頂・男たちは命をかけた [DVD]

プロジェクトX挑戦者たち 巨大台風から日本を守れ ~富士山頂・男たちは命をかけた~
【楽天ダウンロード】WMVファイル・約42分

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2009年7月 1日 (水)

清原なつの「夜永姫と太陽王子」

清原なつの「夜永姫と太陽王子」
小学館「月刊 flowers (フラワーズ) 2009年 08月号 [雑誌]」掲載/24P読み切り

遠い昔、昼の世界の太陽王子が夜の世界の夜永姫(よながひめ)と出会い愛し合います。太陽王子に連れ出された夜永姫が掟を破って昼の世界に踏み込んだために、夜の一族は空へ追いやられます。悲しむことを禁じられた太陽王子は、日食の薄暗がりの中でのみ姫との再会を許されます。
そして2009年7月22日、日本の一部地域(奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部など)で皆既日食を観測できます。
2009年7月22日皆既日食の情報:国立天文台

夜の世界と昼の世界とか、禁忌を犯したため引き裂かれる恋人たちはよくあるモチーフですが、日食(日蝕)に絡む具体的な元ネタになる話が思いつきません。
パンゲア大陸は3億から2億年前に地球に存在したとされる超巨大大陸。やがて北アメリカ・ユーラシアとゴンドワナの各大陸に分かれたとされます。
悲しい展開だけど、最後に少し救いがあるのでほっとします。

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2009年6月30日 (火)

『水曜日のクルト』大井三重子(仁木悦子)偕成社文庫、復刊!

新版 水曜日のクルト
大井三重子:著/浅倉田美子:イラスト(20029/05)
B6判ソフトカバー178P (偕成社文庫2118)
〈収録作品〉
水曜日のクルト/めもあある美術館/ある水たまりの一生/ふしぎなひしゃくの話/血の色の雲/ありとあらゆるもののびんづめ

去年「本の雑誌 304号(2008年10月号)」の三角窓口で、『水曜日のクルト』の復刊を希望するハガキを載せてもらいました。
今日、書店の児童書売り場を覗いてみたら、偕成社文庫の棚で『水曜日のクルト』の新装版をみつけました。ものすごくうれしくてたまりません。やっぱり読みたい本は読みたいと発言するといいことありますね。

『水曜日のクルト』は推理小説家の仁木悦子(にき・えつこ)さんが本名の大井三重子(おおい・みえこ)名義で刊行された童話集です。1961年に東都書房から単行本が出て、1976年に偕成社文庫に収録され、長らく絶版でした。
この本に収録の「めもあある美術館」は1967年から1975年まで小学校六年生の国語の教科書に使われました。近年でも「水曜日のクルト」が2007年にNHK教育テレビ「おはなしのくに」で子ども向け語り聞かせに使われたそうです。

おはなしのくに NHK教育「水曜日のクルト」

仁木悦子さんは『猫は知っていた』で第3回江戸川乱歩賞を受賞した女性推理小説家です(公募制になって初の受賞)。幼い頃にかかった胸椎カリエスのため寝たきりになり学校に行けませんでしたが、お兄さんお姉さんたちのおかげですばらしい教養と豊かな心を教えられました。仁木さんの長兄は、学徒動員で太平洋戦争に出征し戦死されました。(お兄さんが帝大心理学部にいたとき同級生だったのが、江戸川乱歩の一人息子の平井隆太郎氏だったという不思議な縁があります。)「血の色の雲」には戦争で大切な人を失う悲しさがくっきり描かれています。
「血の色の雲」以外の作品はハッピーエンドですが、きれいなだけではない考えさせられるお話ばかりです。子どもにも大人にも読んで欲しい本です。

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