沈丁花の香りと卒園式
3月の半ばになれば沈丁花(じんちょうげ)の花が咲きます。小さな花から漂うきっぱりした強い香気をかぐと、「幼稚園の卒園式」を連想します。
幼稚園の庭に咲いていたのか、通園の通り道に咲いていたのかもはっきり思い出せませんが、30年経っても「沈丁花の香り=幼稚園の卒園式」という公式が頭に染み付いています。
絵を見たり、音楽を聴いて突然昔のことを思い出すことがありますが、香りは特に思い出に直結している気がします。
小さい頃から歩きながら道端に咲く花を探すのが楽しみです。緑色の葉の中からある日突然思いがけず美しい色を見つけるのもうれしいですが、季節ごとの香りも楽しみです。
今の季節なら梅がいい香りです。鼻が詰まると期間限定の香りがわからず悔しいので、風邪をひかないように気をつけています。
桜の花も、屋台の食べ物の匂いでかき消される夜桜より、日の光で暖められて花の香りが立ち上る昼間の桜のほうが好きです。
だいたい花の香りというのは太陽に温められるとより強く香るものです。「日下(くさか)」さんという名字がありますが、あれは「日の光であたためられて草が香る → 日の下=草香る → 日下(くさか)」でできた読み方だそうです。
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