『後宮』海野つなみ~「とはずがたり」のコミック化
『後宮 (1)』
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『後宮 (2)』
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海野つなみ〈講談社コミックKiss〉
講談社の女性向けコミック雑誌「Kiss」連載中の『後宮』の2巻が発売されました。
鎌倉時代の女流日記文学の古典「とはずがたり(問はず語り・とわずがたり)」を原作にしたマンガです。
最近の話で、性助法親王が出てきたあたりで坊主萌えが起こり、コミックスを買ったり「とはずがたり」関係の文献を集め始めました。
「とわずがたり」は鎌倉時代の宮廷に仕えた女性の日記です。作者は後深草上皇に寵愛された女房・二条。
幼い頃から後深草上皇の元でわが子のように可愛がって育てられ、14歳で愛人の一人にされ後宮に入れられました。その後、二条自身も何人かの愛人と恋愛遍歴を重ねることになります。その後30歳あたりで出家し、西行法師のように各地を放浪遍歴します。
この時代、すでに天皇にも上皇にも征夷大将軍にも権力はなく、鎌倉幕府の執権・北条家が日本の政治の実権を握っていました。
お飾りの天皇や上皇には、有力な家の娘に優秀な男子を産ませることが一番の仕事になっています。
この後深草院と実弟の亀山院の子孫の正統争いが、南北朝の争いの始まりになります。
そういう時代背景を重ねて読むと、ただの愛欲の記録にとどまらなくて面白い。
愛して欲しくてもままならぬもどかしさ、頼りにする人がいつ儚くなるかわからぬ不安な心情が読む人を引き込ませます。
氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク』あたりのライトな宮廷ものが好きな女性、皇室の恋愛や結婚や出産に興味津々な人なら楽しめると思います。
何人かの女性小説家が「とわずがたり」の現代語訳を出していますが、ほとんど入手困難です。
古文でも一番手に入りやすいのは講談社現代文庫版のようです。岩波文庫版はすでに版元在庫切れです。
『とはずがたり〈上〉』
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『とはずがたり〈下〉』
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次田香澄〈講談社学芸文庫〉
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