雑誌「月刊MOE(モエ)」の誌名の由来
古本屋で「月刊 絵本とおはなし」(偕成社)のバックナンバーを見つけました。
私が中学生の頃、「絵本とおはなし」から「MOE(モエ)」に誌名変更して、その後版元が偕成社から白泉社に移りましたが今も同じ誌名で刊行されています。
誌名変更したときの号が無いかと探したら、大当たり。
「月刊 絵本とおはなし」1983年7月号の表紙裏ページで新しい誌名が公表されていました。
保育と子どものための本(童話・絵本)の雑誌から、絵本やイラストの雑誌に誌面変更するのを機会に誌名変更を決定し、読者から新しい誌名の案を募集しました。
1983年の春に雑誌のアンケートハガキなどで新誌名を公募して、1983年7月号で新誌名決定・発表。1983年12月号から「月刊MOE(モエ)」に誌名変更しました。
(その後版元が偕成社→MOE出版→偕成社→白泉社に移行)
「MOE(モエ)」の命名者は当時13歳の金沢に住む女子中学生でした。
本当は漢字で「萠(もえ)」でしたが、ロゴにしたときのバランスなどで編集部がアルファベットの「MOE」にしたそうです。
応募総数が約15000点(応募者約3000人)の中で「萠・萌(MOE、モエ、もえ)」は一人だけだったので、賞金10万円は全額その中学生に贈られたそうです。うらやましいけど、中学生だとそんな大金自由に使えず親に管理されたんでしょうね。
その中学生のコメントによると、「萠ゆる」「萠えいづる」などの春のきざしの意味、筆で書いたときの字面の良さなどでこの漢字を思いついたそうです。あとイラストレーターの永田萠さんが好きだからとか。私もちょうど同じくらいの年齢で、永田萠さんのイラスト目当てで「絵本とおはなし」を読み始めたから共感します。
まだ「萌え」がオタク用語で無かった時代の話です。
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