清原なつの「バブル姫とロスジェネ王子」
《注意》ネタバレあり。
「月刊 flowers (フラワーズ) 2009年 03月号」に清原なつのさんの新作短編「バブル姫とロスジェネ王子」が掲載されました。
今回は雑誌の表紙カラーイラストも飾りました。コミックス発売に合わせたとはいえ、表紙をもらえるとはうれしい限りです。
気がついたら同じベッドで目覚め、見知らぬ場所を二人で旅する赤の他人の男女。
一緒に旅してみると嗜好や性格の違いがよくわかる。自分たちの居る場所が地獄と気づき、えんま大王の面接を受けるころには互いの性格のいい面が見えてくる。
臨死体験した赤の他人が、生き返った後でめぐり合うのは、マンガでよくあるパターンです。あの世で出会った二人が死んだ時期に時間差があるのもよくある話です。
宇多方(うたかた)みなわ。「うたかた」「みなわ」ともに「水の泡」=バブル。
比和又昇(ひわまた・のぼる)。「日はまた昇る」はアーネスト・ヘミングウェイの小説のタイトル。この小説の巻頭に「ロストジェネレーション(Lost Generation)」ということばが引用され、広く知られる。「ロストジェネレーション(失われた世代)」とは第一次大戦後に現れた一群の若いアメリカ作家たち。戦後への幻滅から出発し従来の価値観に懐疑を抱く。ヘミングウェイ、ドス=パソス、フィッツジェラルド、カミングスらを指す。それにちなんで、バブル崩壊後の就職氷河期の日本の若者世代を「ロストジェネレーション」と表現した報道もあった。大学を卒業しても就職口がなく、明日はよくなるという希望も持てなかった悲しい世代です。
1980年代後半~1990年代初頭のバブル景気が崩壊したのが1991年初頭と言われるので、宇多方さんが死に掛けたのが1991年以前とすると、比和又くんが死に掛けたのが2003年ごろになりますね。微妙に昔の話。とすると宇多方さんは今流行のアラフォー世代(現在40才前後の世代)。若いころバブル経済を満喫して、40才前後の現在も考え方が楽天的な典型的バブル世代。
12年の時間差を、楽天的で享楽的なバブル女と、地味で堅実で後ろ向きなロスジェネ男子の価値観の違いでうまく表現しています。
たしかにバブルとロスジェネもどっちも考え方が極端だから、混ざれば中和されていいわよね。
◆『人魚姫と半魚人王子』@夏貸文庫
清原なつの/小学館フラワーズコミックスα
2009年1月新刊コミックスの作品解説(解題)がんばって書き込みしました。
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