『おれは不知火』河出文庫/山田風太郎コレクション〈短編集〉維新編
『おれは不知火 』
河出文庫/山田風太郎コレクション〈短編集〉維新編
著者:山田風太郎
河出書房新社(河出文庫)262P (1993/10)
〈収録作品5編〉
「首」「笊ノ目万兵衛門外へ」「大谷刑部は幕末に死ぬ」「おれは不知火」「絞首刑第一番」
山田風太郎の時代短編小説傑作選。
明治維新前後の混乱期の志士や幕吏たちの死闘と、騒乱に巻き込まれる庶民の右往左往する姿を描いた作品を集めました。作品初出は昭和33年ごろから昭和48年まで。
実在の人物のエピソードを膨らませ、愛憎の心理描写を絡めテンポよい活劇に仕立てています。
とにかく刀でざくざく人を斬る話ばかりなので、画像では見たくありませんね。
後の時代から神様の視点で人々の悲喜劇を見下ろすのは興味深いが、斬られる側にはなりたくありません。
勤皇だの佐幕だの攘夷だの開国だの、大儀のためなら人の命は軽いというのは傲慢です。
後の文豪が赤ん坊の頃あやうく殺されそうになったエピソードが出てきますが、武士たちが血に浮かされた時代、殺された人たちにも未来はあっただろうと思うと気が重い。
ちなみに、夏目家に軍用金を名目にした強盗が押し入った話は本当らしいが、赤ん坊が蹴りつけられた話は小説の創作のようです。
◇夏目漱石「硝子戸の中」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/760_14940.html
〈十四〉参照
《『おれは不知火』主な歴史的登場人物》
「首」井伊直弼(大老)
「笊ノ目万兵衛門外へ」安藤信正(老中)、笊ノ目万兵衛(町奉行所同心)
「大谷刑部は幕末に死ぬ」大谷刑部国次(国定忠治の子)、沢田正三郎(勤皇派浪士)
「おれは不知火」佐久間象山、河上彦斎(人斬り彦斎)、佐久間恪二郎(象山の子)、勝海舟(象山の義兄)、新選組
「絞首刑第一番」彰義隊、山田浅右衛門(首斬り浅右衛門)
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