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2010年1月27日 (水)

小林カツ代『ミセス漫画学校へ行く』(青春どないしよう!?/てんてこまい)

『ミセス漫画学校へ行く』
小林カツ代
出版社:講談社(1970/11)
四六判ソフトカバー/306ページ
本文イラスト:小林カツ代・石井啓子

料理研究家の小林カツ代さんの最初の商業出版物。
あわて者で美味しいもの好きの明るい主婦がデザイン学校(東京デザインカレッジ)に通いますが、半年で学校がつぶれて学生運動に巻き込まれていきます。
時代は40年ほど前、1969年から1970年の1年半ほどの話。文章がユーモアにあふれています。出てくる食べ物が美味しそう。いい作品を作ろうとする熱気にあふれた学生生活がわくわくします。季節ごとに夫婦で旅行したり、実家の家族と交流したり楽しそう。「大蔵省」だの「ロンパリ」だの、昭和時代の言葉がざくざく出てきます。
後半は、悪い人はいないのに事態が悪い方向に転がっていって、読んでいる方もやりきれなくなります。

『ミセス漫画学校へ行く』は後に『青春どないしよう!?』と改題して1991年に晶文社から復刊されました。

青春どないしよう!?
小林カツ代
出版社: 晶文社 (1991/12)

初版本が出てまもなく、『ミセス漫画学校へ行く』を原作としてNHKで連続テレビドラマが作られました。

◆NHK・銀河ドラマ「てんてこまい」
放送期間 1971/08/23~1971/09/03 (全10 回)
キー局 NHK /放送曜日 月~金 /放送時間 21:00-21:30

テレビドラマデータベース
テレビドラマデータベース>てんてこまい

主演は「おはなはん」の樫山文枝さん。ローカルテレビにちょっと顔を出しているだけの主婦が書いたエッセイのドラマ化としては豪勢なキャスト。よっぽど当時評判が良かった本なんですね。

関連図書:『お料理さん、こんにちは』『カツ代ちゃーん!

《『ミセス漫画学校へ行く』あらすじ》

1969年春、夫の転勤で東京に越してきたカツ代さん。グリーティング・カードのアーティストになるために2年課程のデザイン学校に入学します(この本には出てきませんが、正式名称は「東京デザインカレッジ」)。漫画部・デザイン部・建築部の3部構成、昼間部・夜間部合わせて700名の大きな学校。
試験に遅刻しながら何とか合格。豪華な教授陣、やる気満々の48名の仲間と共に熱のこもった講義が始まります。カツ代さんは自分の名前が嫌いで、学校ではマリと名乗りました。家では学校の宿題と、グリーティングカード作りで忙しい日々。
夏休みの終わり、夫が学会出席のためヨーロッパへ2ヶ月出張。飛行場で夫を見送った翌日、学校がつぶれそうだという話が友人から電話で伝えられます。経理責任者の専務理事は教育の理念は高いが経営は放漫で、専務理事が病死した後、帳簿を調べたら3億円もの負債を抱えていたことが判明する。名前を貸しただけの理事たちは頼りにならず、学校に連日詰め掛けた学生たちも焦りが募ります。
建物がなくても授業が続けられる漫画部漫画科一年の半分の生徒(23人)で「東京漫画研究所」を設立し、学校に立てこもり闘争を続ける他の学生たちと袂を分かちます。
漫画研究所に参加したカツ代さんでしたが、ひょんなことから大阪のテレビ局のワイド番組でお料理を作る週1のレギュラー企画をもらいます。取材と本番で週に2日は大阪に行くことになり2年の1学期で研究所を辞めることになりました。他にも事情で研究所を去る人が8人。熱気がこもっていた学校の建物も人が居なくなり、ただのビルみたいになってしまいました。

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