縦横無尽の人類の軌跡『線の冒険 -デザインの事件簿』松田行正
『線の冒険 デザインの事件簿』
松田行正
角川学芸出版 (2009/6/13)
A5判ハードカバー302ページ
線にまつわるエピソードを集めたコラム集。
著者の本業はグラフィックデザイナー。
「デザインの現場」「d/SIGN」「10+1」などのデザイン雑誌に寄稿した文章をまとめた本です。
実際の事件から作り物の小説・映画などから古今東西の人間の行動の跡をたどり、できあがった思いがけない「線」を鑑賞します。
視線・放物線・垂直降下・戦線・鉄道ダイヤ・地図記号・象形文字・ノーチラス号の航跡・風船爆弾の軌跡・東京地下鉄深度地図・人類と火星の交流の年表・エッフェル党の骨組み・アビー・ロードの横断歩道……。
戦争の歴史、写真技術の歴史、SF映画などサブカルチャー方面の雑学的知識が得られます。
文字もびっしり、図版もぎっしりで読み応えあります。
戦争中の人間の愚行の写真など、けっこうきつい話題もありますので、お子様にはお勧めしません。高校生ぐらいなら自己判断で理解してもらえるか。
例えば、目隠しして歩いたり泳いだりすると、同じところをぐるぐる旋回し続けます。眼が見えないという緊張感からドーパミン(神経伝達物質)が大量に発生します。ドーパミンの量は脳の左右で異なる(利き手の方が多い)ので、両側の運動量の差で真直ぐに進めなくなるそうです。
インパクトのあった話が、ビートルズのアルバム「アビー・ロード」のジャケットに使われた、EMIレコーディング・スタジオ(アビー・ロード・スタジオ)前の横断歩道の様子が当時と大きく変わったことです。イギリスの道路交通法の改正で、運転手に注意を促すために横断歩道の手前のセンターラインをジグザグにするように決められたそうです。道路上の線のために「アビー・ロード」と同じ風景の印象が大きく変わってしまいました。
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