論理的思考と数学力/数学の基本を理解しない大学生◇日本数学会(2012年2月24日)
今の「ゆとり教育」世代の大学生は数学力が低下し、数学以外の学科でも論理的回答ができなくなっているというニュース。
◇数学 基本理解しない大学生も NHKニュース
2012年2月24日 18時41分
>今の大学生には、小学校で学ぶ「平均」など、数学の基本を正しく理解しておらず、論理的に説明する力も不足している学生がいることが、日本数学会が行った調査で分かりました。
>日本数学会では、調査を受けた大学生はいわゆる「ゆとり教育」世代で、学ぶ内容と時間が少なかったことや、学力試験のある一般入試を経ている学生は半数にすぎないことが、数学力低下の背景にあると分析しています。
>国立情報学研究所の新井紀子教授は「論理的な力を養う数学はすべての基本となり、日本の科学技術を支え、交渉力も育てます。学校で数学や記述問題にもっと取り組んでほしい」と話しています。
このニュースに関連して、学生時代に数学を避けて社会人になってから苦労したNHK記者の実体験を基にした後悔。
>しかし“論理的に考え物事を組み立てて証明する力”数学力は必須です。
>分かりやすく説明し、納得させる論理が立てられないのです。
>数学とまったく無縁に見える仕事においても数学で鍛える思考力は必要なのです。
ゆとり世代の少なくない人数に「平均」「奇数と偶数」といった数学の根本的概念が欠落しているのが怖い。
数学とは普遍の定理を使って真理を求める行為です。
数学力がないと論理的思考ができません。
社会生活では、数字を使わなくても論理的思考ができないと不便な場面が多々あります。
普遍の概念を共有していないと、論理的説明で他人を説得することができません。
私も学生時代は数学が大嫌いでしたが、社会に出れば苦手といって避けるわけにも行きません。
難しい数式を詰め込むのが無理でも、基本概念だけでも頭のやわらかい学生時代に覚えてもらいたい。
「数学がわからんようやと哲学は無理ね」
(森博嗣「EXPRESSION KYOTO」『森博嗣のミステリィ工作室』)
《関連記事》
◇『世にも美しい数学入門』(藤原正彦/小川洋子)と『博士の愛した数式』(小川洋子)
数学をテーマにした対談集とベストセラー小説。数学の美しさを教えてくれます。
◇安野光雅絵本-数学@夏貸文庫
子ども向けに数学の概念を解説した絵本を紹介します。
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